はじめに

2003/1/3

まだプレイされていない方へ…(ネタバレなし)

この作品は、大空を舞台にしたRPGで、ドリームキャストからの移植作です。
私はDC版は未プレイなのですが、リメイクという程ではなく、イベント単位で追加要素があるといった感じのようです。
ただ、GCですから、読み込み速度は早くなっているようです。
プレイ中ロード時間が気になったことはありませんでした。
大空が舞台なだけに、フィールドに縦・横と共に高さの概念があります。
この作品、この高さの概念がなかなかキモになっています。物語上はもちろん、この「高さ」があることで、RPGのもつ「マップを探索する楽しみ」が俄然深まってきています。
ファミコン時代、船を入手後に、新しく行けるところを発見するためにあちこち動き回った、あの懐かしい記憶が蘇ってきました。
「そうだ、RPGってやっぱり探索なんだ…」
ロマサガ式の移動もいいですが、やっぱりフィールドをくまなく歩いて発見する楽しみは素晴らしいものです。
さらにこの作品は、そのようにフィールドを調べ回りたくなるように、至る所に「発見物」が仕掛けられています。この「発見物」は物語には全く関係なく、見つけなくても問題ないのですが、やっぱりやるからには見つけたくなるのが人情ってモノです。
「発見物」以外にも「チャム」「クルー集め」、GCで追加された「ムーンフィッシュ」「お尋ね者」と盛りだくさんで、探索する楽しさと、それに対する答えを沢山用意してくれています。
このゲームの一番売りは探索する楽しさでしょう。主人公が空賊として世界を探索して回るという設定にもバッチリあっていて、素晴らしいです。
次に個別事項についてお話ししたいと思います。
グラフィックですが、基本的に移植ということで、正直それ程ではありませんし、キャラクターは寂しい感もあります。ただ、その割には表情が豊富です。また、ダンジョンのグラフィックはなかなか良い出来です。
そして、サウンドですが、これはいいです。曲が好みなのはもちろんですが、戦闘中、状況(敵味方のHP)によって音楽が変化したり、足音や結晶が床に落ちたとき等、効果音も良く、工夫というか丁寧な印象を受けました。
また、音声が中途半端なのですが、イベントによってはそれがかなり良い味を出しています。ゲーム開始直後は気になりましたが、これで良かったと思います。
さて、ここらでちょっと気になった点を述べさせて頂きますと、まずメッセージで漢字が少ないのがちょっと…。GCということでお子様仕様にしたのだと思いますが、平仮名だと文の持つイメージを捉えにくい場面も少なくありませんでした。
次に、色違いの敵が多く、敵のバリエーションが少なく感じました。また、雑魚敵が弱いです。もうちょっと強くても良かったですね。こちらが回復アイテムを大量に持てるだけに。
なんか最後の方は気になったことを並べてしまいましたが、このゲーム、かなりお勧めです。
正直それ程期待していませんでした。主人公の名前が「ヴァイス」というのが印象にあるくらいでした。
が、いざ始めてみると、「私の知らないところでこんなに素晴らしいRPGが出ていたなんて!」という気持ちになりました。
戦艦での戦闘は迫力がありますし、やっぱり空を駆ける感覚が他にはないですね。陸の上を歩くのではなく、広大な空をゆく。広大な空で未知なる物を探す。この設定そのままの冒険が出来るんですから。

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