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アルバートオデッセイ2

ロールプレイング      1994年12月22日発売   サンソフト


シミュレーションよりのRPG「アルバートオデッセイ」の続編で、前作の10年後の世界が舞台になってます。続編というか、2つでひとつといった感じです。前作のエンディングから考えますとね。
今作は、「ルーラ」が無くなったこと、セーブ時に総合ターン数が表示される点等、よりシミュレーションに近づいた感じです。

今作は、バトルシステムに大きな変更があります。前作では、1ターンにキャラクターが移動・行動が目一杯出来たのですが(詳細は「アルバートオデッセイ」の項に譲ります)、今作は、1ターンに出来る行動は1つだけで、行動後の移動は出来なくなりました。そして、MP制になって特殊攻撃の利用回数に制限がされるようになっています。つまり、ごく普通のゲームのスタイルになったわけです。

確かに前作は1ターンにいろいろ出来すぎた為か、ゲームの難易度は易しかったと思います。その反動からか、今作は難しいです。1つのステージを1回の挑戦でどんどん先に進めていくのは至難の技でしょう。
…というか不可能かと思われます。何しろ、敵が多いのです。普通の攻撃だけで敵を倒すのは大変で、こちらは特殊能力を使いつつ、つまり消耗しつつ敵を撃破していくのですが、敵は次々とフレッシュな状態で襲いかかってきます。もちろん、敵も特殊攻撃を使ってきます。

ですから、頃合いを見計らって撤退するか、玉砕覚悟で突っ込むかのどちらかが必要になってきます。(主人公が倒されるとお金が半分になって再開します)
これらの作戦?は、ステージ途中で街に戻っても、再開時は途中の状態から始められることを利用した物なのですが、ゲームの作り手も恐らく、このどちらかをする事を前提としている節があり、遠慮無しに敵がバンバン出てきます。
最終的には8人パーティでマップを攻略するので、終盤はそれ程キツク感じないのですが、人数が揃う前はかなりキツメのバランスです。これを「遣り甲斐のある、手強いゲーム」と思うか、「勘弁して」と思うか評価が分かれる所でしょう。

こういったキツメのバランスに耐えてゲームを進めていくことの出来る要因に、ストーリーの魅力があります。お話自体は凡庸な所もあるのですが、1でのキャラクター達と合流して戦っていく事に至上の嬉しさ、懐かしさを感じながら遊ぶ事が出来ます。(書いていて、いつも×2思うのですが、とことん「合流系」が好きな私です。)

さて、前作からの変更点で続けると、前作は移動の際、何故かフィールドがぐるぐる回って見辛かったのですが、今作ではちゃんと普通に移動できます。あと、街がごちゃごちゃとしていて見辛かった点を改善して欲しかったのですが、残念ながらそのままでした。

細かい注文を付け加えると、色違いの敵が多いなあと思います。もうチョット敵の絵の種類を増やして欲しかったです。また敵のグラフィックが前作はカッコ良かったのですが、今作はディフォオルメが強い感じでもう少し重厚感があっても良かったと思います。

あと一つ気になった点を付け加えると、移動の際、明らかに移動力があるにも拘わらず、敵が近くにいると、敵を横切って移動できないのが納得いきません。つまり、敵の真正面までしか移動が出来なくなり、敵を囲んで攻撃したり出来ない訳で、この事も難易度を上げている要因になっています。

何度もキツイキツイと書いてきましたが、これは「見た目とは違って、かなり戦略性が要求される硬派な作品である」、という事と同じことです。レベルが上がるとステータスが回復するので、それを考慮しながら、キャラの行動順や、その行動を考え、上手く行った時は至高の瞬間が訪れます。難しいですが、完成度の高い良い作品であると言えると思います。

冒頭でも少し述べましたが、「アルバートオデッセイ」は1と2両方やって初めて面白さが分かると思いますので、1から遊ぶことを激しくお勧めします。


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