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やるドラシリーズ(PS)


いずれの作品もシステム上にそれ程違いがないため、ここでは一括して述べていきたいと思います。

記憶喪失のヒロインを共通のテーマにした恋愛系アドベンチャーゲームで、四季を舞台にした4部作です。

みるドラマからやるドラマへ、という事でフルボイス、フルアニメーションのサウンドノベルといったところでしょうか。
音声と映像に凝っているだけあって、お話はそんなに長くありませんが2枚組です。
普通にやるとワンプレイ30〜60分といったところでしょうか。

やり込んでくると、ディスクの入れ替えがちょっとめんどくさくなってきますが、それはまあ仕方がないことですね。

これらの作品の魅力はなんと言っても、アニメと声の演出効果です。これによってゲームへの入り込みやすさ、感情移入の度合いはとても大きくなります。
私は単純に圧倒されて、ひたすら「凄いなぁ」と思いっぱなしでしたが、ただ画面を見ているだけでも引き込まれていく力があります。この辺はについては「ゲーム」本来の魅力なのか、という思いもなくはないのですが、これらの作品が「ゲーム」であることは疑いようもありません。

で、やはり"ドラマ"だけあって、大きなアドリブがあるわけではない、つまり、基本的に一つのお話であり、ベストの選択から少しずつ脱落していくうちにそれぞれ違った結末を迎えるという感じです。基本的なお話からの飛躍度・逸脱度といったところは他のアドベンチャーゲーム同様少ないと言えるでしょう。
ただ、このように書くと、一度結末を見たらやる気の持続が難しいアドベンチャー特有の課題に直面しそうですが、このゲームはあまりそうは感じません。
それは、クリアする毎にイベントとエンディングの達成度が表示されるので、モチベーションを持ってプレイすることが出来る点と、やはり他のアドベンチャーにない演出により、見ていて飽きがこない事が大きいです。

また、達成度を求めて何度もプレイできるように、一度見たシーンはすっ飛ばせる親切設計時なっているところも見逃せません。
それに、見たエンディングの種類によって、タイトル画面が変化するのもやる気をそそります。
このように、達成度を100%にする環境は整っているのですが、実際に100%に持っていくにはかなりの根気が必要です。
こういったアドベンチャーは好みの部分が大きいかと思いますが、1000円以下で手に入るようでしたらいかがでしょう?

ダブルキャスト
ダブルキャスト
ダブルキャスト。(クリックで画像拡大します)

やるドラシリーズ第一弾。夏です。
お話の方はシリーズ第一弾ということもあって、取っつき易く明るいお話になっています。明るいだけにバッドエンドとの落差が大きく、バッドの時は結構へこんじゃいます。
サスペンス要素も入っていますが、肝心の謎解きは主人公が勝手にやってくれちゃいます…
ちょっとヒロインが自分のことを「僕」を言うのに納得がいきませんが、まあそれはそれで。

このゲームの一番の魅力はキャラクターでしょう。というか美月です。彼女との会話パターンをいろいろと試すことの延長線上に、達成率100%がありました。ヒットの延長がホームランというのに雰囲気は取りあえず似ています。
このゲーム、ギャルゲー、ですよね?
【達成率100%】

季節を抱きしめて
季節を抱きしめて。
季節を抱きしめて。(クリックで画像拡大します)

春という季節を描いた、やるドラシリーズ第二弾。
明るいノリの恋愛ドラマ。恋愛以外の要素はあまりありませんが、物語の展開は意外と広がりを持っています。
また、(私的には)ベストといえるようなエンディングが無いのが特徴的です。全体的にちょっと切ないラストですけど、「思い出だけじゃ生きていけない、いや、生きてはいけるけど、そんなのって寂しいじゃない」ってところでしょうか。
また、所々に一枚絵が挿入されるのも良い感じです。
あ、シーンによって若干絵柄が異なる事があるのがちょっち気になりましたが、気にしすぎですかね。

で、とにかく麻由がかわいいです。まさに、可愛いから許す、何でも許すといった感じです。声もとってもキュートです。
やっぱり声の効果はでかいです。特にトモコの感情の揺れは、声なしではここまで伝わってこないでしょう。キャストも上手いと思います。
とってつけたのか、思いっきり削ったのか判らない(どちらでも良い)きれいなお姉さん編はおまけ程度に考えるのが良いのでしょうね。
ハイ、このゲームはギャルゲーです。
【達成率99.91%】

サンパギータ
サンパギータ。
サンパギータ。(クリックで画像拡大します)

寂しさを漂わす秋のやるドラ、サンパギータ。やる前のイメージはそんな感じでしたが、物語はそこまで感傷的にはなりませんでした。
この3作目から主人公に音声が入り、より物語に入り込めるようになっています。

で、この作品、前2作とはっきり違うのが、マリアの記憶を辿るためのヒントがとても多い所です。ぶっちゃけ最初の段階でだいたい判る感じです。
ですが、ヒントが提示されているだけに、より彼女の謎が気になる上手い作りになっていると思います。
また、彼女の記憶が途中で蘇るのも違うところです。これも手法としては面白いのですが、その後の展開がもう一つといった感もあります。

そして一番気になるのが、マリアがなぜ記憶を失い、どのように全てを思い出したのかが描かれていません。(少なくともグッドエンドでは)。ちょっと信じられません。私のやり込みが足りていないからだと思いたいところです。(現在54%)

また、小さい事ですが、マリアとボーイの会話は母国語で展開し、字幕で日本語って方が自然だったと思います。また、ヤクザの顔が…まじめなお話なのですから、こんなところで笑いを取りに行かなくとも…

ちょっと辛口になってしまいましたが、音楽は良いです。前2作とパターンを少し変えてきているだけに、ストーリーにもうワンパンチ欲しいところでしたね。
ちなみに、スポーツ新聞の記事がお気に入りのシーンという駄目っぷりを発揮しています。私…
【達成率57.73%】

雪割りの花
雪割りの花。
雪割りの花。(クリックで画像拡大します)

PSやるドラのラストを飾る、北国のラブストーリー?
こちらも恋愛オンリーなドラマですが、「ラブストーリー?」としたように、シチュエーションが尋常ではありません。
あんまり書くとアレですが、前三作は、記憶喪失のヒロインを拾ってくる黄金パターンですが、こちらはある一点のみの記憶を失っている、ひと味違った展開です。
また、ストーリーが暗いというか、ずしっと来ます。
通常、ヒロインとの交流は楽しく心和ませるものなのですが、このゲームはそう言った場面でこそ緊張感・圧迫感があり、逃げ出したくもなります。
プレイ中ホッと出来る時間が無く、常に頭を悩ませている感じです。エンディング(グッド)くらいでしょうかホッと出来るのは。

あまり書いてしまうとアレなので書きませんが、シナリオの出来は抜けています。
また、主題歌も一番です。特にバックに流れる『シャンシャン』って音がすっごく気持ちを高揚させてくれます。(しょぼい表現の仕方でホントすいません…)

作品の媒体として、ゲームという形はベストの選択だったと思いますが、ストーリー・絵柄的にゲームソフトとして発売するにはかなりの意欲作であると言えます。
こちらも主人公に声が入り、やるドラの中では最も「ドラマ」な仕上がりを見せています。
こういった作品こそ実写での表現がぴったりだと思います。個人的にちょっとヒロインに魅力を感じることが出来なかったというのもありますが…
テレビドラマが好きな方で、1000円前後で売っているのを見かけたら、迷わず買ってみることをお勧めします。
【達成率57.45%】

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