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トレジャーハンターG

RPG      1996年5月24日発売   スクウェア


立体的なキャラクタとシミュレーション風の戦闘が特徴的なRPG。
当時のスクウェアは「SFCからの脱出」と言わんばかりにリリースを連発しており、この作品がそのトリを務めた。

一番の特徴は立体的なグラフィックでしょう。
従来の2Dとは全く違った、丸みのあるグラフィックにはインパクトがあり、オーパーツ(冒険のキーとなるアイテム)の表現などは、PS初期のタイトルよりもしっかりしている印象です。

そのキャラを視覚的に活かすためか、戦闘はシミュレーション風です。
マス目上のマップを敵味方が移動しつつ行動する、オーソドックスなタイプの戦闘です。
1回の戦闘に時間がかかる分、戦闘回数が少ないのは良かったのですが、基本的に近づいて殴るってだけなので、あまり上手く出来ているとは思えませんでした。
技もあるので、それを使えば違った感じになるのでしょうが、基本的にボス戦まで温存するのがRPGの流れですからね。
シミュレーションならそのバトルに全力投球出来ますが、RPGはいかに消耗を抑えつつ進むかが肝なので、ザコ戦は時間がかかる割に地味な作業になりがちなのが残念でした。
また、技ポイントの最大値を上げるには、レベルアップ後に教会でお布施をしないといけないのも謎な仕様です。

あとは、アイテム所持数の上限が少ないのも残念でした。
街やダンジョンで色々と落ちているので探す楽しみはあるのですが、すぐに一杯になってしまうんですよね。
ツボやカエル、煙玉など、使えば面白いアイテムが色々とあるのですが、手持ちは回復アイテムが優先になるので、あまり活用出来なかったです。
敵の弱点に合わせて装備を切り替える事も多く、話の都合でパーティから離脱する場面もあるので、装備品とアイテムを別枠にして、アイテムはパーティ全体で持つ様にして欲しかったです。
また、終盤はアイテムを売買する機会がなく、下手をすると詰まってしまうのも、作りとしてどうかと思います。

ここまでシステム面の苦言ばかり書いてしまいましたが、決して許容できないって事はないです。
SFC時代のスクウェアにしては、もう一つ練りこみが足りないですが、十分に遊べるレベルにあります。

さて、このゲームはなかなかキャラが立っていて良いですね。
熱血な兄に頭の弱い弟、いかにも謎めいていますって感じの少女に猿。
分かりやすいキャラにストレートな物語ですんなりと入っていけます。
で、そんな直球勝負なのに、最後の最後で「〇〇は〇〇だったのかー」って所に意表をつかれました。

また、キャラ同士の掛け合いも良かったです。
特に宿屋に泊まる際の会話や、起きた時の仕草はパターンが多彩で、次はどんな掛け合いなのかと宿屋に泊まるのが楽しくなります。
他にも砂場でお城を作ったり、キャラの子供っぽい所作は微笑ましかったですね。

あとは楽曲の質が高いのも見逃せません。
いい曲が幾つかあるのではなく、全体的に質が高いんですよね。
このゲームの印象を良くしている大きな要素が、この音楽と言って良いでしょう。

システム面以外でも、主人公と同じ名前の男、国同士の戦争等、放置された伏線が幾つかあるなど、物語的にも甘い部分があります。
ただ、音楽は良いですし、RPGとしては短めでサクっと楽しめるので、気軽に遊ぶには適した作品だと言えるでしょう。


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